塔谷名人は、登場する時から風格がありますね。
第2局「はるかな高み」でテレビで出て「神の一手に一番近い人」と言われている人とのことですが、そんな感じがしません?
もっとも、さすがに始めのころは筆がそれほど滑らかでなく、ちょっとぎこちない絵ですが。(笑)
その後第3局「死活の急所」で、実際にヒカルと会って「遅かれ早かれ、いずれは我々棋士の前に現れることになる」と言って「ビシッ」っと碁石を置く。
その予言が、もちろん実現しますが、その長い時間があっという間にも感じます。
その後、アキラを2度破ったヒカルの実力を見ようと指したら、佐為がやって始めはお手本のような指し手は当然です。
でも、最後の1手はヒカルが自分で打ってしまって逃げ出すが
「最後の一手は異彩を放っていた」
「あの一手は興味深い」
と、ヒカルの将来を暗示する才能のきらめきを感じさせます。
これで、すぐに実現しないのが気を持たせますが、ようやく第12巻の99局で塔谷名人とヒカルが対戦が実現します。
ところが、結局これは佐為が指して、自らハンディを背して、戦い、ボロ負けをするのです。
それでアキラがヒカルと戦ってがっかりしたように、塔谷名人もがっかりするかと思うと、そうではありません。
何のハンディもなしに打ちたかった
これが、塔谷名人が最高峰を極めた人らしい発言です。
アキラの登場の予言、才能を感じた最後の1手、そしてハンディをわかった対局こそ、塔谷名人がアキラと佐為の運命を暗示するとともに、二人の価値を高めます。
この後の塔谷名人と佐為の対局が、もちろん名局です。
でも、その名局が佐為の運命を・・・